だから俺と、付き合ってください。



「ごめんなさい、先輩。でも私、先輩に恋したこと一生忘れないよ」


「…………」


「先輩に出会って恋したこと、後悔なんてしてないから」



生まれてはじめて好きになったひと。

すれ違いばかりでうまくいかなかったけど、悪い思い出ばかりじゃないから。



ーー「キミってたしか、いつも練習見に来てた子だよね?」

ーー「今日も応援に来てくれる?」

ーー「俺が好きなのは藤田彩乃だよ」



ほら。
キラキラした恋の記憶がそこにある。



「ありがとう、綾乃」


「こちらこそ。こんな私を好きになってくれて、ありがとう」



忘れない。絶対に。

初恋の相手が先輩でよかったって心からそう思うよ。



「ほら、行っておいでよ、彼のところ」


「あ、いや、でも……」


「告白しておいで」


「え!?」



な……なんで、いきなり、そんな。

告白なんてムリだよ!!



「今日を逃したらつぎはいつ会えるの?」


「え、っと、それは……」


「新学期はじまって会って、気持ち言える?」



それは……。

きっとムリだ。

ユカと付き合ってる清瀬くんに想いを告げるなんてできっこない。



「チャンスは今日しかないんじゃない?」



先輩の言葉に心を動かされる。



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