生きることの意味【完結・加筆完了】

目を閉じていたのはほんの五分程だったと思う。


「よしっと。出来たわよ。目を開けて」


りなさんにそう言われて、あたしは恐る恐る目を開ける。
そこにはミレもいて、目を開けたあたしを見て吃驚していた。


「杏奈ちゃん、とっても可愛い。
これ、緋人も惚れ直しちゃうだろうな」

「そうよね。髪の毛もちょっといじっちゃおうっと」

「え。りなさん?」

「いいのいいの、女の子はやっぱり楽しいわ~」


りなさんは嬉々としてあたしの髪の毛を弄る。
ワックスを揉みこんで、器用に手で逆立てるとピンで留めた。


それもほんの数分程だったと思う。
出来上がった後、手鏡をりなさんに手渡されて覗き込んだけど、驚きで暫く言葉が出なかった。


いつもと全く雰囲気の違うあたしがそこにはいた。


薄いメイクなのに、ぱっちりとしている目元。
頬にほんのりと乗った桜色のチーク。

綺麗に作られたポンパドール。


緋人はどんな反応するだろうか。


最初に自分を見て、思ったのがこれだ。
< 224 / 332 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop