生きることの意味【完結・加筆完了】
「あーメンズ、ANNEって雑誌知らない?」
「アンネ?名前だけなら知ってる」
「その、モデル」
「…………はい?」
「俺、そこで専属モデルしてんの」
「……………」
一瞬で頭が真っ白になった。
揺れでふらっとするあたしを、彼がさりげなく抱き抱える。
支えられながら、疑問だけしかあたしの頭に浮かばない。
どうしてこんなに自信満々なのかってことは、わかった。
さっきの人気から見ても痛いほどわかったけども。
「…そ、んな、何であたしと…?」
うまく、言葉を紡げずに片言になりながら緋人に尋ねた。
緋人はそんなあたしに軽く首を傾げて
「面白そうだったから?」
飄々と、そう答えた。
すっごく意地悪そうに笑って。
「お、面白そうって」
あたしがぽつりと呟くと緋人は軽い口調で返事をする。