生きることの意味【完結・加筆完了】
「うん、そう、まだ付き合ったばっか。
うん、五時ね、了解」
電話を切ると、あたしの方を見てにやっと笑う。
「撮影、来るのオッケーだって!」
何故か、トントン拍子に撮影に行くことが決まってしまった。
行くと言ってしまった手前、行かないわけにいかない。
な、なんてことを言ってしまったんだ。
真っ青になっていると、緋人は伝票を持って立ち上がった。
「出ようぜ」
「え?あ、うん」
わけがわからぬまま、あたしは定食屋から出た。
緋人は満足そうに伸びをすると、辺りを散策している。
あたしはと言うと、今日の撮影の見学のことを考えたら気が気でない。
緋人は、女のレベル下がったなんて周りから思われて。
いい笑い物にされて。
…と、言うより緋人のレベルが下がらないかな。