生きることの意味【完結・加筆完了】


「俺、あっま~いのとか大好きなんだけどさ。
そういうの、周りが許してくれないんだよね」

「…そうなの?」

「イメージってあるじゃん。
俺って、結構クールで通ってんの。
だから、甘いものとか好きじゃないみたいに雑誌では言ってるし」

「なんか、面倒だね」

「なあ。
その所為で、女の子と出かける時も甘いものとか食べられなくなっちゃって迷惑してるよ」

「そうなんだ、まあ、あたしといる時は好きに食べたら?」

「………うん、そーするわ」


アイスを手にした緋人が、ふわっと。
嬉しそうに笑った。

その顔が、あまりにも綺麗で。



少し、見惚れてしまった。



………なんて、言うものか。
あたしはこの人に惚れたらいけないのだから。

惚れても、苦しいのはあたしなのだから。
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