生きることの意味【完結・加筆完了】


「なあ、あっち見ろよ
駄菓子屋があるぜ」



そう言って緋人はあたしを置いて勝手に走って行った。
…え?

さっきからあの人、食べ物ばかり。
どうして太らないの?



「ま、待って」



慌てて追いかけると、緋人はもう既に店の中にいた。


「おばちゃん、これとこれー」

「はいよ」

「ねえ、ばあちゃん、ここら辺で遊べるとこないかなあ」

「ここら辺かい?
そうだね、少し歩いた先にひまわり畑があるよ。
遊べるかはわからないけど、アベックでいくにはいいんじゃないかい」


ちらっとおばちゃんがあたしを見ると、そう言った。



「あはは、ばあちゃん、アベックって古い~」



緋人は笑いながら会計を済ますと、袋を貰って店の外にいるあたしの元へとやって来た。


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