生きることの意味【完結・加筆完了】

「…あたし…利用してた」

「それでよかったよ?」

「…好きでもなかったんだよ?」

「うん」

「何でいいわけ?」

「俺が好きだって理由だけじゃ不服?」

「……わかんない」

「じゃあ、もう一度付き合ってみる?」

「…え?」


その意図が理解出来ず、問い返す。
緋人はいつもの様に意地悪く笑っていた。


「俺のこと知るためには、フリでもなんでもいいから付き合ってみたら?」

「……好きに、ならないよ」

「なるかもよ」

「………どっからそんな自信」


動揺しながら、あたしがそう言うと緋人はあたしに近付き、軽く抱きよせた。
それから耳元で

「俺が好きだから」

そう言った。
< 59 / 332 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop