不純な理由で近づきました。
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「―――というわけで、実はわたし、メガネがないと生活できなくて……」
カインくんの部屋にあったテーブルを囲むように全員集合。
そして真面目にわたしの話を聞いている。
………なんだろうこの絵。シュールだ。
「そっか、六花ちゃんにそんな過去が……」
「それなのに、ごめんねぇ。お姉さん、何も知らなかったとはいえ……うぅ」
「あ、いえ、お気になさらず……」
多分、カインくんのお姉さん、なんだろうけど。
わたしのメガネを取った綺麗なお姉さんがハンカチで目元を覆っている。
まさかそこまでの反応をされるとは思ってなかった。
「というわけで、そのメガネ返して下さいよ」
「うん。ごめんね恭クン」
はい、と恭くんに手渡されたメガネはわたしの手元に返ってきた。
でも………
「かけなくていいのか?」
「はい」
心配そうな恭くんにわたしは微笑みを浮かべる。
強がっているつもりは毛頭ない。
不思議だけど、今は恐怖を感じなかった。
恭くんが隣にいるし、カインくんにも心を開いているから、かな。
「ずっと怯えているわけにもいかないですし……わたし自身、強くなりたいですから」
まずは恭くんやカインくんとメガネがなくても話せるように。
それから少しずつ慣れていけたら……