{♡}す き だ っ た 。
1



ゆうすけだった。



簡単に追い越され、私の向かう先に
キュッーっとブレーキをして通せんぼした。





『塾がえり?』
「はい」




それから私の家の前まで来て
一時間くらい



昔の恋の話や、

だれだれが付き合ってるとかうまくいってるだとかゆー話

先生の愚痴などを話した。






すごく楽しかった。

学校では2人でこんな長く話すことないし、意外とおもしろかった。


女の子の友達とは少し違う視点からの
話が聞けて男の子だな〜って改めて思った。←え





『帰ったらLINEするかんな!』
「いやです笑」
『は?舐めてんの?』
「はいはい笑さよなら〜」
『おつかれい』






この日以来、

彼は私と家が近いことを知り、
私の家を塾や習い事なんかで通るたびに


『おりてこーい』

っと電話をかけてきて、

夜長話することが多くなっていった。







ある夜の長話。


テストも近づいている頃だった。

2人とももう、恋愛は散々だと話し合っていたけどこの日は






「あー恋がしたい。キュンキュンしたい。」

『好きな奴が欲しいー誰かを好きになりたーい』





なんて話をしてた。






『なんかいい奴いない?』





私は彼と出身校が同じで、
生徒会長を務める、ゆり(仮)を勧めた。

よく学校ではゆうすけとゆりは言い合いチックな事してて、なんだか私には夫婦喧嘩のように見えていた。



『えー。ゆりー?同じ学校じゃなかったら好きになってるけどなー。』



と言った。



からかうつもりで私は

「もう好きなんだよ!気付いてないだけできっと好きなんだよ!だから喧嘩もしちゃうんだよ!!」

と我ながら無理矢理で無茶苦茶なことを言った。







『おお…。そ、そうなのかな!!』





意外と単純にひっかかった。








「そうだよ!」

『え〜でもな〜〜』

「顔も可愛いし!性格いいし!」

『確かに。顔は学年一タイプ。』

「ほら!出身校なんか関係ない!
可愛いんでしょ?好きなんだよ。」

『わかった。俺、ゆりのこと好きになれるように頑張る。』

「頑張るじゃなくてもう好きなの!」

『そ、そっか。俺はゆりが好き。俺はゆりが好き。俺はゆりが好き。うん。』






こんな私の適当な発言から奴の恋は始まった。


はじめはふざけてるんだと思ってたけど、意外と本気でLINEのこと、

学校でまた喧嘩しちゃったこと、

気にしては夜こうして会って私に相談してくるのであった。



< 2 / 9 >

この作品をシェア

pagetop