続く想いを




こうして俺と瀬奈は一緒に練習する
ことになった。試合は別だけど練習は
男女一緒にやるみたいだ。
ちょっと嬉しい………



その後、俺たちはバスケに打ち込んだ。
初めてやるにも関わらず瀬奈は
上手だった。先輩も驚いていた。
瀬奈が褒められるのは嬉しい。
でも、俺も負けないようにしないと!



練習が終わり着替えて瀬奈を
待っていると高坂先輩が話しかけて
くれた。



「春樹!お疲れー」



「あっ、高坂先輩。お疲れ様です。」



「瀬奈待ちか?」



「はい。そうです。瀬奈と一緒に
帰ろうと思いまして、家隣なんで、
一応。」



「一応?何で一応なんだ笑」



「瀬奈んちすごく敷地が広くて笑
隣なんですけど。遠いんですよ〜」



実際、俺と瀬奈の家は隣だけど
2kmは離れている。



「瀬奈はお嬢様かぁ。そういう
春樹の家も大きいんだろ?橘って
あの橘なんだろ?」


「あの橘ってなんすかwまぁ、
そうですねー。瀬奈とうちは同じ
くらいの大きさですね。」



「…………………マジ?
うぉぁ〜!すっげーじゃん。
え、じゃあ何、春樹は家継ぐの?」



「……そう、らしいです。俺、
1人でやっていける自信ないです…泣」


俺は、ちゃんと出来る自信がなかった…
跡取りだと言われて、そのために
勉強も運動も頑張ってきた。

瀬奈に認めてもらいたいってのも
あるけど……



「瀬奈がいるだろ。」



「へ?」
俺は動揺で先輩の言ったことが
理解できなかった。



「だから、2人は付き合ってる
んだろ。てっきり、結婚して家継ぐ
のかと思ってた。」



「え?ってぇえええええっ!
いやいやいや、誤解です。俺と瀬奈は
付き合ってないですよ。それに
俺が瀬奈と付き合えるわけない
じゃないですか。」



「あー、瀬奈は美人だからな。
でも、そっか。付き合ってないのか。
春樹は好きなんだろ?瀬奈のこと。」


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