嘘を重ねて。




ーーーーーーーーーーー

タクと同棲生活が始まってから
もうだいぶ経つ


夏休みが始まると共に始まったこの生活

気付けばその夏休みも
終盤に差し掛かっていた



「タク、ほら起きて、もうすぐお昼だよ?」


「ん‥‥もうちょっとだけ‥‥」



起こしに来たはずが
何故かベッドに引き戻される私

タクの腕に捕まって
抱き枕状態になってしまった

‥‥いつもの事だけど。



「ターク。ほら起きなきゃ」


「あと少しだからー‥‥」


同棲生活を初めてから
1つわかった事がある

それは
思ったよりも子供っぽいってこと、かな?


やっとタクを起こすと
ご飯を食べるのが日課


「お、今日もユエのご飯は美味しいなー」


なんて毎日懲りずに言ってくれるから
料理も楽しかったり。


美味しそうに食べてくれるタク
私はその様子を見つめていた


するとその視線に気づいたのか
タクは箸を置いてクスクス笑う



「なに?そんなに俺かっこいい?」



「自分で言っちゃうんだ?」


私も一緒になって笑うと
タクが身を乗り出して

向かい側に座っている私の顎を
クイッと上げてキスを落とした


「ちょっ‥‥ん‥‥っ‥‥」


徐々に深くなるキス

酸素を求めて口を開けば
すかさず舌が口内に侵入してくる

まるで貪られているような熱いキス



“チュッ‥‥”



わざとらしく音を立てて離れた唇
目を開くと満足気な顔のタク

そしてニッと笑みを浮かべた



「ユエめっちゃエロい顔。」





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