ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
生み出したビールが商品化に結び付くと、特殊技能手当がアップするというのだ。
一つ商品化される毎に、プラス3万円。
それは一回こっきりではなく、
月々にプラスされる半永久的なもの。
久遠さんが今まで作った試作品の内、商品化に結び付いたビールは、
ええと、20だっけ?30だっけ?
するとつまり、彼の給料は……
理数系の脳みそを持ち合わせていないので、すぐに計算できなかった。
恐る恐る、由香に尋ねる。
「久遠さんの月収って……?」
「多分、100万くらい。
もしかすると、もっと上かも。
年収はボーナスも含めると1500万超えじゃないかと、私は踏んでいる」
1500万……
「うっそーーっ!!」
私の叫びが、女子トイレに響き渡った。
良く考えると、今住んでいるマンションは駅に近く立地がいい。
築年数も割と新し目で、広めのリビングの2LDK。
家賃が高そうな気はしていた。
たまに見かける住人達の身なりもよく、
オホホ系な奥様にゴミステーションで、物珍しげな視線を向けられたこともある。