ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
だからこそ常識ある三国主任から、
非常識な久遠さんに、ズバッと言って欲しいのだ。
「同居はやめるべきだ」と。
三国主任がポッテリしたお腹を揺すって、立ち上がった。
久遠さんに注意しに行くのかと期待した私に、
彼はペコリと頭を下げた。
「つまり、ビール研究のことで久遠を止めるのは無理なんだ。
新ビールは、ほぼアイツ一人で作ったようなものだし、僕には何も言えないよ。
申し訳ないけど、二ヶ月頑張って同居してね。
僕は君を信じているから、社内で見張ったりしない。
自由にしていいから」
うおいっ!と心でツッコミを入れ、
大きな溜息を漏らした。
ガックリと肩を落として、自分のデスクに向かう。