ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
憤る私を「まぁまぁ」となだめてくれたのは、堂浦さん。
「久遠に任せとけば大丈夫だから、夏美ちゃんは大人しくしていようね。
ほら、取り乱すとオッパイがはみ出しちゃうよ?」
堂浦さんは私のバスローブの前合わせを直して、
腰紐を外れないよう、しっかりと結んでくれた。
落ち着いてと座らされたけど、
私の怒りは収まらない。
この怒りは黒川に対してだけではなく、自分に対しても。
私のせいで久遠さんに迷惑をかけているこの状況が、
腹立たしくて悔しくて、悲しくなってしまう。
一方、交渉相手を私から久遠さんに切り替えた黒川は、
私を無視して話を進める。
形勢逆転とばかりにニヤついて、
スマホを顔の横でちらつかせ、
「どうする?」と久遠さんに回答を迫っている。
久遠さんが動いた。
いや、動いたのは久遠さんというより、彼が小脇に抱えているモノだ。
「行け」と命令した後、
久遠さんは小人体型のにょにょ村部長を、力一杯投げ飛ばした。