ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
 


黒川はポケットからスマホを取り出し、印籠のように掲げて見せた。



久遠さんは嫌な予測のもと、そのスマホに鋭い視線を向けている。



黒川はニタリと笑って言った。




「久遠礼士、BX-091の研究データをよこせ。

さもなくば、このスマホに入っている女の画像をばらまくぞ?


BX-091さえ手に入れば、俺はきっと研究室に戻してもらえる……

さあ、取引しようぜ!」




自分が元の部署に戻るために、
他人の研究成果を狙うなんて……。



私の裸画像を材料に、久遠さんに迫るのも許せない!



私の心に、激しい怒りが込み上げた。



思わずベッドの上に立ち上がり、
声を荒げた。




「卑怯者!

久遠さんにそんなこと言わないでよ!


ばらまいていいと言ったでしょ?

さっさとSNSにでも何にでも、アップしなさいよ!

私なんかの裸を、高尚な研究の取引材料に使わないで!」




< 313 / 453 >

この作品をシェア

pagetop