ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
黒川はポケットからスマホを取り出し、印籠のように掲げて見せた。
久遠さんは嫌な予測のもと、そのスマホに鋭い視線を向けている。
黒川はニタリと笑って言った。
「久遠礼士、BX-091の研究データをよこせ。
さもなくば、このスマホに入っている女の画像をばらまくぞ?
BX-091さえ手に入れば、俺はきっと研究室に戻してもらえる……
さあ、取引しようぜ!」
自分が元の部署に戻るために、
他人の研究成果を狙うなんて……。
私の裸画像を材料に、久遠さんに迫るのも許せない!
私の心に、激しい怒りが込み上げた。
思わずベッドの上に立ち上がり、
声を荒げた。
「卑怯者!
久遠さんにそんなこと言わないでよ!
ばらまいていいと言ったでしょ?
さっさとSNSにでも何にでも、アップしなさいよ!
私なんかの裸を、高尚な研究の取引材料に使わないで!」