意地悪彼氏の攻略法。
意味わかんない。
クリスマスは予定があるって断ったくせに、迎えにきたなんて何言ってるの……?
「相手……間違えてるでしょ。予定あるって断ったのは奏多じゃない。
あたしのことは放っておいてよ」
『なに怒ってんだよ。だから、お前を迎えにきたんだろ。
オレがお前以外のヤツ、誘うわけねぇだろ。
いいから、早く降りてこい」
少し怒ったような早口で言い終えると、勝手に通話を切ってしまった奏多。
何なの……、早く降りてこいって。
どこまで俺様なのよ!
いつも人のこと振り回して、ご機嫌とりにでもしにきたわけ!?
意味わかんない!!
言いなりになるなんて嫌だったけど、ひとこと文句を言わなきゃ気が済まないと思い、コートを着てマフラーをぐるぐる巻きにすると、家を飛び出した。
「おっせーよ」
ダウンのポケットに手を突っ込んで、家の前に立っていた奏多は、あたしが出てくるなり抱きしめた。