意地悪彼氏の攻略法。
ちょ……! いきなり何なの……!
文句を言ってやろうと出てきたのに、奏多に抱きしめられてそれどころじゃなくなってしまった。
何とか腕から抜け出そうともがくけど、離してくれる気配がない。
「はー……あったけぇ……」
人をカイロみたいに……!
「何しにきたの」
低い声で問うと、ドン!と力いっぱい奏多の体を押して離れる。
「どうしたんだよ。なに怒ってんの? あー、今日予定があるって言ったこと怒ってんのか?
悪かったよ、マジで。だから、そんなに怒るなって」
またあたしに近付いてきて、伸ばそうとしてきたその手を振り払う。
「……っ。環菜?」
「別れ話しにきたならハッキリと言えばいいでしょ!! お前とは遊びだったって!
今日だって、他の子と約束してるくせにあたしに会いにくるとか何なの!? 奏多が考えてること全然わかんない!!」
今まで我慢してたことが一気に溢れだして、不満を爆発させるあたしを目を丸くして見ていた。