意地悪彼氏の攻略法。
お願いするあたしに、奏多は歩いていた足を止めて、あたしを見下ろす。
「教えてくれる気になった!? ねぇ、あたしのこといつから好きなの?」
ワクワクしながら問いかけると、何も言わずに奏多が顔を近付けてくる。
「なぁ、ここでキスしていい?」
「へっ!?」
素っ頓狂な声を出したあたしは、体を反らすように奏多から逃げる。
「ダメダメ! 人が見てるし、それにその……」
「みんなイルミネーションに夢中で誰も見てないって」
そういう問題じゃなくて、その……初めてのキスは、こう夢があるというか……。
「質問の答え、知りたくないんだ?」
「そ、それは……」
迷っているあたしの顎に手を添えると、上を向かせて浚うようにあたしの唇を奪っていった。
「ごちそうさま」
「~~っ!!」
結局、奏多があたしを好きになった理由は謎のまま。
これからもこのイジワルな彼氏サマに振り回されそうです。
