意地悪彼氏の攻略法。
「ねぇ、奏多はいつあたしのこと好きになったの?
本命の彼女作らないって言ってたのに」
めでたく、しっかりと両想いということを確認できたあたし達は、イルミネーションのトンネルの下を手を繋いで歩く。
「そんなのいつだっていいだろ。
それに、本命の彼女を作らないんじゃなくて、本当に好きになれる子が現れなかっただけ。
そこんとこ間違えんな」
「えー、教えてくれてもいいじゃない! ということは、あたしは奏多にとって運命の相手だったってこと!?」
キラキラ輝く瞳を向ければ、奏多の冷たい目に軽くあしらわれる。
「あーハイハイ。そうですね」
「もう! 照れなくてもいいのに! 奏多がいつからあたしのこと好きだったのか言ってくれるまで、今日は離さないんだから」
何の意味もなく言ったあたしに、不敵な笑みが降臨する。
「ふーん。環菜って意外に大胆だな。
今日は帰れなくなるけど、それでもいいってことなんだ?」
「えっ! 帰れなくなるのはさすがにちょっと……」
口をモゴモゴさせるあたしに、奏多はやっぱりイジワルで。
「あっそ。じゃ、環菜が聞きたがってた質問は、永遠に謎のままだな」
「え~! やだ! 奏多お願いだから教えてよ」