君の世界

「検査に異常はなかったよ。点滴が済んだら帰ってもいいですよ。川越さん後は大丈夫だから…ありがとう」

看護師を退室させて二人きりになる。

身長は180㎝越えているのだろう。

バランスのいい体型に優しい物腰と甘いマスク

看護師達からは憧れの的だ。

その真中先生が男しか抱けないのを知ってる人間はどれくらいいるのだろうか?

「久しぶりだな。」

爽やかな微笑みで僕の頬に触れる。

「母が亡くなったり、いろいろありましたから…」

「俺は捨てられたのかと思ってたよ…」

寂しげに瞳を揺らしたと思ったらキスをしてきた。

「相変わらずクールだな…」

苦笑しながら僕の髪を撫でる。

僕は無言で真中先生を見つめながら、治療費は心配しなくていいかわりに、またこの男と関係を続けなきゃいけないのだろう、と考えていた。

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