君の世界
誰がが呼んでいる声に目覚める。
時計は22時を過ぎている。
「ダレだよ?」
開けるのが面倒で扉越しに声をかける。
「俺だ!大丈夫なのか?」
幸雄の必死な声に
「俺ってダレ?」
意地悪な答え方をする。
「俺だよ?幸雄だよぉ~」
幸雄は情けない声を出して更に小さな声で
「開けてくれょぉ…」
泣いてるみたいだ。
意外な対応に驚いて扉を開ける。
「とりあえず入れよ…ゴツイのが泣くと暑苦しいから泣くな。」