君の世界
「どうした?」
直ぐに繋がった先の声は嬉しそうだ。
「これから会えない?」
「直人から誘うなんて…」
「30分以内に来ないなら行かないよ?」
真中の勤める病院からはどう頑張っても20分はかかる。
「待っててくれよ?」
慌てて電話を切る真中に思わず笑ってしまう。
何故あんなに必死で僕を求めるのかが解らない。
『たんに惚れたんだ。』
前に理由を聞くとそう答えた。
『惚れた。』
よりによって僕なんかに惚れなくても…