201号室の、オオカミくん☆

神様。

やはり長ズボンは履いて正解でした。



『寝顔が可愛かったからチューってしたよ。でも俺は、やっぱ桐原さんのコロコロ変わる表情が好――……』

言い終わる前に、私は立ち上がると同時に助走をつけて、顎目掛けてキックをした。


『チカチカする……』


ふらりとよろめいた葵に私は叫んだ。




『私のファーストキスをふざけんな!』



そのまま全力で逃げ帰ったけど、二口だけじゃ全然お腹は満たされない。

でも私のファーストキスが眠っている時に済まされていたなんて複雑じゃないか。


葵の馬鹿野郎!!


走り抜けながらどんな顔をしていいか迷っていた。



「おい、ぶつかるぞ」


――?


私の腕を掴んだのは皇汰だった。
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