201号室の、オオカミくん☆


「何処行ってたんだよ。んな泣きそうな顔して」


「泣きそう、じゃない! 泣きたいんだ!」

下を向いて、唇を噛み締めた。

一応私だって初めてなんだから、ちゃんとした時が良かった。


どう言えば良いか言葉が見つからず、涙を堪えるのがやっとだった。
悲しいのか、辛いのか、怒りたいのか。


この憤りのぶつける場所が分からない。


「聞かない方がいいの?」


黙って頷くと、困ったような沈黙と髪を触る仕草が感じた。

さっきまでちょっと気まずい雰囲気だった気がするのに、こんなに気を使ってくれて。


……優しい。


「取り合えず、ほら」


頭に乗せられたビニール袋を受けとると、中は三色ウグイスパンだった。


「お前、飯食べてなかったからさ」

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