201号室の、オオカミくん☆


「はい。弁護士をさせて頂いております」


その男の人は丁寧に喋ると早足で私たちの前を歩いていく。

……職員室から真逆の方へ。


「弁護士さん、こっち! こっち!」


慌ててスーツを引っ張り、職員室まで引きずっていった。




職員室の前を通る前に、談話室のドアがこれ見よがしに開け放たれていた。

それをやっぱり方向オンチな弁護士さんは間違えて中に入っていく。

「そっち!ちが」

「遅かったじゃんか。叔父さん」


談話室のテーブルに両足を乗せ、ポケットに手を突っ込んだ威圧的な皇汰と、眼鏡をかけて手を組んだこれまた威圧的な態度のオジサンが座っていた。


「ありがとうございました。此方で間違いありません」

「あ、え、皇汰の?」
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