201号室の、オオカミくん☆
皇汰は深いため息を吐き出すと佐原さんを見る。
というか、やっぱりこのオジサンが皇汰の父親なんだ。顔は似てはないけど、頭の良さそうな雰囲気は似てる気がする。
「その話長くなりそう? 友達待たせてるんだけど」
「後は私が話し合いますので、皇汰くんはどうぞ行かれて下さい」
「プリペイドカードは?」
「私が補充しときましょう」
皇汰は佐原さんにプリペイドカード渡して、私たちの元へやってきた。
疲れきった面倒な顔で。
「それ俺のパンもあったりする?」
「うん。3人で屋上行こう」
「俺、お腹ぺこぺこ」
何事もなく3人で歩き出すと、皇汰の父親が叫んだ。
「お前は姉みたいに私をガッカリさせるなよ! しっかりした大学に行く事だけは約束しなさいっ」