201号室の、オオカミくん☆
「人形じゃないんだから会話は大事だよ。まぁ生きてる限り、歩み寄れるさ」
私がオジサンに苦笑いしてから歩き出すと、皇汰と葵はボケッとしていた。
「何よ」
「いや、お前オヤジ臭いよな」
「殴るよ」
「俺も死ぬ前には分かりあえるのかなー」
葵がぼそりと呟くと、青空を見上げた。
「本当に二人とも複雑そうだよねぇ」
私がしみじみとそう言うと『お前が言うな』と二人から突っ込まれた。
「なんで私ー?」
葵が「ん」と背中を差し出してきてくれたので、首に捕まると、私を背負ったまま秘密基地への梯子を渡っていく。
「ここが屋上への秘密の通路か」
皇汰はわくわくしながら梯子を上っていてちょっとだけ可愛いけど。
「なんで私?」
もう一度聞き返した。