倦怠期です!
「あの時、どう見てもだんなさんじゃない男の人と一緒にホテルから出てきた松坂さんに、偶然会ったんだ。あっちもやばいと思ったのか、“これは撮影で”って話し始めさ。“メロメロメロウ”ってサイト名言われたときには、マジでビビった」
「め、メロメロメロウって・・・いかにもって感じのサイト名だね」とボケる嫁に、すかさず俺は、「いや、まんまエロサイトだから」とツッコんだ。

「だんなさんと潤くんは、あの人がAV女優してるって知らないらしいんだ。だから“ここで見たことは黙っててほしい”と言われてだな・・・。だからおまえも誰にも言うなよ」
「言わないわよ!」
「んで俺は、知ってる人のエロシーン見ながらイくことはできん。もちろん、画面の向こうにいる女優は、俺が見てることすら知らないが・・・恥ずかしいだろ?それに、それこそ浮気してるような気ぃするやん」
「うーん・・・そうね。あなたが言うこと、何となくだけど分かる」
「だから俺は、松坂さんとは浮気してないと断言できる」
「・・・分かった」
「おまえも疑って悶々と悩むくらいなら、俺に言えよ」
「・・・怖かったんだもん。してるって肯定されるのも怖かったし、してなくても、私が疑ってたって分かれば、あなたは私のこと・・・嫌いになるって・・・。ごめんなさい」

先生に叱られた生徒みたいに、今にも泣きそうな顔してうつむいているこいつだって、傷ついてたんだよな。
という慈悲深い心を一応持ってる俺だが、それ以上に今はこいつをいたぶりたい。
いや、試してみたい。

俺は嫁の顎を軽く掴んで上向かせると、「足りない」と言った。

「は、い?」
「足りないし分からんし」
「何、が」
「おまえの誠意。それからどれだけ俺のこと好きなのか、ちゃんと示してみろ」
「う・・・えっと・・・・・・」

来た。こいつお得意の、ながーい沈黙。

「どうした。示し方も分からん・・・」と、俺が挑発的に言ってる途中で、嫁は俺のスーツの襟をむんずと掴んで引き寄せると、キスしてきた。

うーん。なかなか・・・いや、もっと。
と思った矢先、唐突に舌と唇を離された。

「ごめんね。さっき大嫌いって言ったの、嘘だから」
「よかった、っておいっ!」

スーツの襟を掴んでいた嫁の手が、だんだん下へ、俺のズボンへ行き・・・そして中心部で止まった。

「うっ。まじ、マジ、で?ええんか?」
「もうすぐ遼太郎たち帰ってくるから、あなただけね」
「は?俺だけって・・・でもおまえ、口でするの、いや・・・ぅはっ・・・」

嫌がることはさせたくないと思いつつ、目の前にぶら下げられた、いや、ぶら下がってるのは俺の一物、じゃなくて、俺の一物おっ立ち上がって・・・そんなんどーでもええっ!

とにかく、こいつの“誘い”に抗えない俺は、アッサリと言うがままに陥落し・・・遼たちが帰ってくる前に昇天させてもらった。

< 84 / 96 >

この作品をシェア

pagetop