倦怠期です!
「それに、最近は夜遅くまで・・・飲みに行かない、ね」
「そりゃー、おまえとイチャつくっつー、大事な用が・・・あるからな・・・あぁやべ。今夜はすげー高ぶってる。もういいか」

高ぶってるのは私も同じだ。

私が「うん」と返事をした途端、夫はサイドテーブルに手を伸ばし・・・「げっ」と悪態をついた。

「どうしたの」
「ええい、くそっ。ちょっと待ってろ」と夫は言うと、素っ裸のまま寝室を出た。

均整の取れたたくましい夫の後姿は、まるで野生のサルみたい。
ちょっと不機嫌な雰囲気が、野性味に拍車をかけてるような・・・。
まぁ、今は子どもたちがいないからいいけど。
仁さんの素敵な裸体を見るのは、私だけで十分だ。
なんて、ちょっとした独占欲も湧いてくるのは、お互い好き合ってるって実感できてるからかな。

夫はすぐ戻ってきた。
ビンビンに立っているあそこには、すでにコンドームを装着済だ。

「待たせたな。ゴムがなかったから遼のを拝借してきた」
「ええっ!?遼太郎のって・・・」
「あいつはもう16だぞ。それにマイカちゃんって彼女もいる。備えを持たせて当然だろ」
「でも、なんか、ちょっと、ショック・・・あぅ」
「とりあえず、子どもたちのことは忘れて・・・俺に集中しろ、香世子」
「あ、それ・・・」
「そういうセリフ、言ってほしいんだろ?」
「そ、じゃな・・・な、なま・・・」
「ナマ?生でしていいんか」
「ちがっ・・・。なまえ・・・呼んで」
「・・・香世子。愛してる・・・」
「う・・・じんさ・・・・・・仁・・・私も、愛してる・・・」

それから私たちは果てるまで、お互い名前を呼び合い、何度も「愛してる」と言い合った。

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