full of love~わが君の声、君の影~

私にとってこの世はうつろだった

ただ朝が来たから起きて
味のしない食事をし
返事のない相手に「いってらっしゃい」と言う

曇空にケチをつけながら洗濯をし
色のない花に水をやる

彼と会えてそんなうつろでボンヤリしていた景色が輪郭をもった
色をもった

私の中の乾いた穴に水をくれ、いっぱいに満たしてくれた。


初めて幸せになりたいと
自分のために幸せになりたいと思った

(私ってこんなにもエゴイストだったんだな・・)


< 167 / 308 >

この作品をシェア

pagetop