full of love~わが君の声、君の影~
ライブが終わって客が会場を出るにはけっこう時間がかかる。
特にここはいったん外へ出てから別入口から入り直さないとならないから
まだ来ていないはずだ。
マネージャーにはあらかじめ迎えにいくように頼んでおいた。
(説明するのがかなり面倒だったが・・)
ドライヤーをかけながらできるだけ平静を装って待っていると
がちゃ
ドアが開いた!
と思ったら神島だ;
「おや?姫はまだですか?王子」
ぐ。こらえろここで挑発にのるな俺。
とそのあとぞくぞくとメンバーとスタッフとライブに来てくれたメンバーの家族やら友人(芸能人含む)やらでけっこう広めの控室があっという間にいっぱいになってしまった;
皆が揃う前に来て欲しかったかも;
色々説明すんのメンドーだし。
あ。
でも説明するとしたら何とする?
“友人”にしても変だしな・・親戚の人・・でいっか。
と
最後にマネージャーと彼女だ!
俺は誰ともわからない人達とのあいさつやら握手やらに片手で「ゴメンなさい」をしながら
即効向かった。
俺とわかるとすぐにペコリと頭をさげてくれた。
メガネは変わらずだが、服装はあの時とはうって変わって
女性らしいネイビーのワンピースに白いカーディガン。
華奢な体が更に強調されて、あのときのしっかりとした声の人と同一だとは思えなかった。
あの日はニット帽でわからなかったが、肩まで伸びた黒髪を脇で結んでいた。
上品な奥さまといったカンジだ。
でも・・
あれ?こんな人だったけか・・
脳内でいじりすぎたか;