full of love~わが君の声、君の影~

気がつくと座っていた所は日が陰り冷たい風が吹き込んできていた

「わっもうこんな時間!スミマセンお忙しいのに・・」
「いえいえ全然」
全然
「こちらこそスミマセン・・なんの相談にもなってなかったですよね・・」
脱線し始めたら引き返すことなくさらに脱線してしまっていた;

「いえ!とっても楽しかったです!なんか元気出てきました!」
彼女がにっこり笑う
さっき会った時の顔とは全然違う

「じゃあ、私も主人に報告してから帰ります。今日は本当にありがとうございました」
彼女が頭を下げ、俺に背を向ける
あわてて俺はその背中に声をかける
「あ、あの」
彼女が振り向く
「俺も楽しかったです!俺で良かったら・・またいつでも話聞きますから」
相談にはならなくても話を聞くくらいなら・・

「はい!ありがとうございます」
彼女の顔がまた輝いた気がした

このカンジ
懐かしいな
今日子さんと出会った頃みたいだ

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