full of love~わが君の声、君の影~

ようやく瑠南と会ったのは退院してから1カ月近くたっていた。
自分の瑠南に対する気持ちが変わってしまったのではないかと怖くて会えずにいたが
普通に会えた。

前と変わらず瑠南は可愛いし愛おしい。
なんだ大丈夫じゃん自分、と思った。



重大なミスを犯してしまった。
それは女性に対して1番やってはならないミス。


「・・さん・・」

空気が凍りつくとはああいうことを言うのかと。

「今なんて言ったの・・?」

すぐには自分の犯したミスに気がつかなかったが 
頭の中で逆再生を瞬時のうちにした俺は一気に血の気がひいた。

「え、ええと・・今俺・・」

ばっちーん

「痛(つ)っ」

言い訳する間もなく左ほほにビンタ。
瑠南は俺を押しのけベッドから飛び降り、わあわあ泣きながら服を着始めた。

俺はといえば自分のしたことにあっけにとられていた。
なんで?よりによってこのタイミング↷



真夜中に「ひとりで帰る」と言ってきかない瑠南をなんとかなだめすかし
車で送っていった。
外にいるかもしれないカメラを意識しながら・・

最悪だ

なにをやっているんだ俺は



帰って来てから頬の痛みに気がついた
鏡を見ると1cmほどの細い傷が出来ている。
ビンタと共につけ爪でやられたらしい・・

瑠南に何度も電話をしようと思ったが
言い訳すら思いつかない。

「はあ・・どうしよう」

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