full of love~わが君の声、君の影~

「だから何で俺が行かなきゃなんないんだっ」
神島が怒る。

「だーかーらー何度も言ってんじゃん!2人っきりじゃまずいだろ?向こうは咲ちゃんと。俺は神島君と。で2×2」
「だーかーらー他の奴誘えよっ」
「だってえ俺たちのこと知っているの神島君だけだしいー向こうも知ってるの神島君だけだしい」
「知ってるってライブ終わりにちょっと挨拶した程度だろっ」
「ンーそんなこと言わないでさあ~頼むよ~か~み♪」
「そのしゃべり方やめろっ」
「どうせお前だって休みなんだし~今付き合ってる子いないだろ?家にいたって独り寂しく曲つくってるだけだろ~?」
「寂しくて悪かったな!そのおかげで飯食えてるんだろっ」
と俺に背を向ける。

その通り。俺たちの曲は今ほとんど神がつくっている。俺にはその手の才能は全くない。
やばいやばい

「ごめんごめん言い過ぎた。わかってますよ感謝してます」
俺は後ろから神の肩をもむ。

「でもさ・・バンドにとっても俺の「不倫報道」は困るだろ?」
一瞬神の動きがとまった。

「それは・・・ってあーダメ!ぜってー行かないからな!」

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