ブランコ。
僕は泣かせてしまったという罪悪感を強く抱く反面、心のどこかではその光景をものすごくキレイだと感じていた。

昔、外国で撮られたという虹の写真集で見た『天気雨と虹』という写真を何故だか思い出していた。

その写真の場所はハワイかどこかの南国で、天気雨の向こうに垂直に虹が立っているところを撮ったものだった。

スローシャッターで撮られたのか、日本のものより粒の大きい雨粒は、ひとつひとつが大きな玉になり、太陽の光でひとつひとつが輝いていた。

その向こうに、これも日本のものより大きく感じる虹が圧倒的な存在感で立っていた。
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