ブランコ。
僕はおばあさんにすすめられた、それが売り物なのか、来客用なのか、それとも踏み台替わりなのかよくわからない椅子に座る。


「ほら、飲みな」


「いただきます」


おばあさんの差し出した茶碗を受け取る。


茶碗に口をつけながらおばあさんの顔を窺うと、僕の顔を見ながらニカニカしていた。


「えっと……何かおかしいですか?」


「うん」


「うん……」


「おまいさん達は、恋人かい?」


「いえ、会社の同僚です」


「ほほーう!」


おばあさんは、まだニカニカしている。


一体、何がそんなにおかしいのかわからない。


だけど、不思議と不愉快ではなかったし、お茶は意外に美味しかった。
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