キミへの想いを10文字で。
「結実ちゃんは、彼氏さんの分だけ集中して作りなよ。あ、パパの分は手伝うけど。あたし、部屋行くから、またね」


振り払ったつもりはなかったのだけど、結果として、あたしが腕をぐっと引くと、お姉ちゃんの細い腕は簡単にぷらんと外れて。


「……わかった、ごめんね、なんか」


お姉ちゃんに謝られると、急に自分が極悪人になったような気持ちになる。


「あたしこそなんかごめん。彼氏さんと、仲良くね!応援してるし」


頬にきゅっと力を入れて、笑顔をどうにか作り出す。


「……ありがとう」


まだ何か言いたげなお姉ちゃんの前から早く消えてしまいたい。


きっと、あたしの様子が変だって気づいてる。


お姉ちゃんを悲しませたいわけじゃないから、余計に困るんだ。
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