黒色女子を個人授業
「大事なのは、仕事の良し悪しじゃないんだ」

大城さんは私の一歩前に出ると、こちらを振り向いて言った。

「信頼できる人物なのかどうか、だと思うけど?」


それは私が信頼できるってこと……?

そう捉えて、いいのかな?


私が困惑していると、彼は「もー心配性だな君は」と呟いて私を覗き込んだ。

「あれだけ一緒に過ごして、それで判断したんだから。僕の目を信じてよ。
ここ数日間、無駄に君を連れ回してた訳じゃない」

そう言って私の肩をポンと叩くと、彼は再び歩き出した。


それって……

彼の言い回しに引っかかりを感じて、私は立ち止まった。
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