黒色女子を個人授業
「ひょっとして、ここ数日間、私をテストしてました?」

今まで一緒にいたのは全部、私を見定めるためだったってこと?


「テストって言うと、言い方が悪いけど……」

大城さんは少し困った顔で弁解した。

「君がどういう人か知りたかったから。これから一緒に仕事をしていく上でね」


ああ、そうなんだ。


泣いてしまった私を励ましてくれたり

気分転換に連れて行ってくれたり

絡まれてる私のところにかけつけてくれたり

そういうの全部……

仕事のために、仕方なく、だったんだ。


信頼できるって言ってもらえて、すごく嬉しいはずなのに

どうしてだろう、こんなに泣きたい気持ちになるのは。

私は彼に、何を期待していた?
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