黒色女子を個人授業
随分、身勝手な言い方をする。

表面上は彩香を仕立て上げて、裏で操ろうとでもいうのだろうか。

社内の権力抗争や派閥争いのような、厄介な匂いがする。

「僕は若いうちから成り上がったから、敵が多いんですよ。
少しでも味方を作る必要がある。
……彼女なら、僕のやり方を理解してくれるでしょう」


この人もいろいろ複雑な事情を抱えてるのね。

これだから出世って面倒でヤダ。


「大城さんの事情は分かりましたけど、だからって色恋営業は違うでしょう。
そんなことしなくったって、彩香はちゃんと恩には答えてくれますよ」

「ですから、本当に手出ししてませんって」

彼は今度こそ本当ですよとでも言うように困った顔で答えた。
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