黒色女子を個人授業
「イヴの夜に会うって……」

「あれ、酒井の勘違いだから」

「嘘……」

自分がはめられたことに気づき、愕然と言葉を失う。


「ちゃんとあんたのこと応援してあげるから。
あ、でも、もし大城さんがどうしても私のことが好きっていうなら、奪っちゃうかもしれないけど」

私は彩香へウインクして、サラダを頬張る。

「花!」

彩香は顔を赤くして、ころりと態度を変えた私に怒りをあらわにした。が、勝利を勝ち取って清々しい私には届かない。

やがて彩香は小さくため息をついた。

「……だからって、私に何ができるわけじゃないけど。
私と大城さんは、仕事の上だけの付き合いだし」
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