黒色女子を個人授業
「どうして抵抗しないんだ!
襲われるところだったんだぞ!?」


「……ごめんなさい……」


あまりの剣幕に、声が震えた。


私の怯えた様子を見て、彼はうつむく。

「……押しに弱すぎるにも、ほどがあるだろう。
僕が駆けつけなかったら、どうするつもりだったんですか」


彼の言う通りだ。

私は何も答えられなかった。

二人の間に沈黙が流れる。


彼はふと私の胸元に目をやると、そのまま視線を外して後ろを向いた。

「……そういう服は、彼氏の前だけにしてください。
……目のやり場に困る」


疲れ切った彼の言葉に、私はジャケットで胸元をギュッと隠した。
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