黒色女子を個人授業
「ところで、ちゃんと帰れたのか?
だいぶ遅かったみたいだけど、終電、間に合った?」

終電のことを聞かれ、芋づる式に大城さんとの一連の出来事を思い出した。

一瞬頭が真っ白になる。

「ああ、うん! だいじょうぶだったよ」

とっさに答えると、酒井くんは、そう、と頷いた。


「昨日、花山が荒れててさー。いい男がいないって」

「え? 本当に?」

話題が変わってホッとしながら、私は何事もなかったかのように話を続ける。

「結構飲んでたけど、アイツ大丈夫だったかな。
今ごろ二日酔いしてんじゃねえかな」

「花はお酒強いから、平気でしょ。
酔うとちょっと説教ぽくて困るけど」

「そーそー。
まぁでも花山は、俺らに対しては普段から説教多いからな」

「それもそうかもね」

「お気に入りの男の前では豹変するの、知ってる?
あれ、ホントすごいよ。女優だよなあ」
< 41 / 510 >

この作品をシェア

pagetop