黒色女子を個人授業
昔、一度だけ、変質者に会ったことがある。

コートを広げるとその下は……というお決まりのアレだ。

幸いにも危害を加えられることはなく、変なものを見てしまったくらいで済んだが、そのときの恐怖だけは強烈に残っている。


それ以来、夜、薄暗い道はなるべく避けるようにしている。


それに。

もう少し二人でいたい気もするし……



突然、彼が私へ向き直った。

「送っていこうか?」

「え?」

何を言い出すのかと思い、彼を見上げると

「ここでじっと待ってるよりは、歩いてた方がマシだ。
どうせしばらく動かなそうだしな」

問答無用で身を翻し、人を掻き分け電車を降りた。慌てて私は彼を追う。
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