黒色女子を個人授業
ああ、その件ね、と俺はため息をついた。

「さっき祝ってやったよ」

『そうでしたか。
彩香が、花山さんの性格的に、絶対に自分から誕生日だなんて言わないだろうからと……』

「その点は当たってるな」

思わず吹き出した。

天野はちゃんと花山のこと、分かってやってるみたいだ。


大城は突然、声を低くして言った。

『若い女性と出張だからって、浮かれないでくださいよ?
彼女に手出ししたらダメですからね」


どういうことだ?

俺は絶句した。

なんでそんなことを言う?

何を知っている?

花山が天野に話したのか? いや、口の堅いあいつがそんなことをほいほいと話すわけがない。

ひょっとして滝川か? そういえば天野と仲がよかったような……
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