青空の下月夜に舞う
私の様子に、眉を曲げ、笑みを浮かべた雄大。

そして……私をソッと抱きしめた。


「ごめんな、怖かったよな」


雄大の行動に、声が出せない。
体が固まり、耳の横で話す、雄大の声が私の世界の全て――――そう錯覚する程の支配感。


温もりが離れた時、やっと息が出来た気がした。


「あ、麻衣メール無視したでしょ。俺寂しかったし」

「うん……ちょっと家の事で頭が……」

「そうだ!そうだよね。ごめん、ごめん。あ、“知恵さん”から預かってるよ」


差し出されたのは茶色の封筒。
雄大の手から受けとると、「3」と口にした。

厚みで、なんとなく分かる。
30万入ってる。
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