青空の下月夜に舞う

しかも。慶太郎のおまけの様に付け足された名前。


松下 響。


セナはこの二人とは関わらない方がいいって言うけど。


顔は綺麗だけど、口悪男の響。

あいつも血見て笑うのか?


色が白いから……血なら、吸血鬼の方が似合う。

ほら、有無を言わさないオーラも。
この世の物じゃなければ納得。


バイトが終わり、パン屋の制服から学校の制服に着替え、ロッカーを閉めた時には、脳内響は、吸血鬼っぽいタキシードに黒のマントを羽織っていた。

もちろんマントの裏地は赤だな。


わお。似合いすぎて笑えるし。


来る時に調べておいたバス停へ向かおうと、お疲れ様です、と挨拶をして、自動ドアをくぐった時。



「お疲れ~」



目の前の田中医院の階段に。
腰を下ろしていたのは、複数の女の人達。

格好は制服で、私と同じ制服の人も居れば、近くの私立の制服の人も。
その中に居たのは……


「帰ろー。じゃあみんなまた明日ね」


朝の裸女だった。
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