彼に殺されたあたしの体
☆☆☆

それは、ある日突然訪れた。


いつものように虫たちはせっせと働き、いつものようにあたしは虫たちの休憩所になっていた時の事。


聞き慣れない車の音が聞こえてきて、あたしは耳をすませた。


この近くを通る車はいつも同じだ。


数台の車の通勤でしか使われていないみたいだから、最初の頃にすぐに覚える事ができた。


でも、今日は違ったのだ。


それは今までここにいて初めての出来事で、あたしは緊張を隠せなかった。


車はあたしが埋められている場所のすぐ近くに停車した。


エンジン音が途絶え、車のドアが開く音がする。


ドアが開いて閉じる回数は3回だ。


ということは、3人もの人間がこの付近に下り立ったという事になる。


その事実にあたしの緊張感は更に増していた。
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