彼に殺されたあたしの体
特別運動が得意というワケではなかったけれど、体を動かすということが好きだった。


でも、今はそれができなかった。


今だけは、我慢していた。


次々に更衣室へと入って行く女子生徒たちを見送り、あたしは見学組の子たちと一緒に一足先に体育館へ向かった。


見学スペースは体育館の一番奥。


あたしは授業の邪魔にならない場所を選び、そこに座った。


体育館の床はヒヤリと冷たくて、あたしはお尻の下に下敷きを引いた。


これで少しはましになった気がする。


体育館の中は空調が聞いておらず、代わりに巨大な扇風機が前方に3台、後方に3台準備されていた。


それでも体育館内のこもった空気が循環するだけで、涼しいとは言えなかった。
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