彼に殺されたあたしの体
まるで空を飛ぶ鳥のそうに地上へ向けて飛び立つ。


久しぶりに見た太陽は眩しすぎて目がくらみ、軽い頭痛すら覚えた。


頬を撫でる風、しっかりと聞こえてくる外の喧騒。


そのどれもがなつかしくて、あたしは自分の骨の真上あたりでしばらく動けなくなった。


このままずっとここにいてもいいかもしれない。


太陽と緑と風。


それだけあればもう十分じゃないか。


そんなことも思っていた。


でも、あたしは自分の骨から抜け出た理由をすでに知っていた。


だから、行く必要があったんだ。


あいつらを、殺しに行く。


魂だけになったあたしはそっと目を閉じて、クラスメイトたちの顔を1人1人思い出して言った。


それは小学生や中学生までの幼い顔ばかりだったけれど、その1つ1つにしっかりと憎しみを植え付けていく。
< 214 / 306 >

この作品をシェア

pagetop